【党声明】イスラエル・米国によるイラン攻撃および最高指導者殺害に関して

 我々は、イスラエルおよびアメリカ合衆国によるイランへの軍事攻撃、ならびにその過程でイランの最高指導者アリー・ハメネイ師が殺害されたとの報道について、極めて重大な懸念と強い抗議の意を表明する。

 とりわけ、核問題をめぐる外交交渉が継続している最中に、相手国の事実上の元首に対する殺害行為に踏み切ったとすれば、それは国際秩序の根幹を揺るがす暴挙である。武力行使は国連憲章第2条4項により原則として禁止され、例外として許容されるのは、武力攻撃に対する自衛権の行使、または国連安全保障理事会の明確な授権がある場合に限られる。今回の軍事行動および指導者殺害が、これらの厳格な要件を充たしているのかについて、国際社会に対する十分かつ透明な説明が不可欠である。

 我々は、イラン現体制が抱える深刻な人権侵害、政治的抑圧、地域への軍事的関与について、これまでも一貫して懸念を表明してきた。ハメネイ師の統治の在り方を望ましいものと評価する立場にはない。しかしながら、体制の是非は本来、イラン国民自身が自由で民主的な手続を通じて決定すべき問題である。外部からの軍事力による指導者排除や体制変動の試みは、国際法上の重大な疑義を伴うのみならず、地域の不安定化と報復の連鎖を招きかねない。

 イラン核問題をめぐっては、オバマ政権下で多国間合意が成立し一定の緊張緩和が図られたものの、その後トランプ政権による合意離脱と「最大限の圧力」政策により対立が再燃した経緯がある。だからこそ今、必要なのは軍事的既成事実の積み重ねではなく、外交枠組みの再建と信頼醸成措置の強化である。国家による武力行使、とりわけ外国指導者の殺害という極限的措置は、いかなる国内政治上の事情からも切り離され、厳格な法的正当性と国際的説明責任の下でのみ論じられるべきである。

 我々はまた、日本政府が本件について明確な立場を示していないことを強く懸念する。同盟関係を重視することと、国際法秩序に対する主体的な見解を示すことは両立し得るはずである。高市早苗首相が、同盟国の行為に対して何らの評価も示さないまま沈黙を続けるのであれば、それは主権国家としての主体性の欠如、人権および法の支配に対する倫理的責任の放棄との批判を免れない。日本は、無条件の同調ではなく、国際法と地域安定を基軸とする独自の外交的判断を明確に示すべきである。

 我々は、立憲主義的改憲を経た集団的自衛権の枠組みそのものを直ちに否定する立場には立たないが、国際法上の侵略戦争への加担、明確な自衛要件を欠く武力行使への関与、国連の正統な手続きを経ない軍事行動への参加は、憲法の平和主義と相容れないものである。違憲の疑いがある武力行使について迅速に審査できる憲法裁判所の設置を含め、行政権の行使に対する実効的な司法的統制を確立することこそが、立憲主義を守る道である。

 我々は、これ以上の戦火拡大と地域の全面的混乱を防ぐため、即時の緊張緩和措置と、国連を中心とする多国間外交の再構築を強く求める。日本は戦争に加担するのではなく、法の支配と対話に基づく国際秩序の回復に主体的に貢献すべきである。それこそが、主権国家としての責任ある姿勢であり、将来世代に対する最低限の義務である。

以上

2026年3月1日
未来進歩党代表
鈴木 しんじ

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