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 日本銀行は本日の金融政策決定会合で、マイナス金利解除、YCC廃止、ETFの新規購入停止を決定し、「大規模金融緩和政策」の見直しを行いました。私たちは、進歩党の時から大規模金融緩和の見直しを訴え続けてきたので、今回の決定の方向性に関しては当然であり、むしろ遅きに失したと考えています。実際、マイナス金利解除の背景には行き過ぎた円安の修正がその目的であるはずですが、市場は反応せず本日は円高が進む結果となりました。

 黒田前総裁の下で大規模金融緩和は開始されましたが、マネタリーベースが肥大化した結果、それはむしろ政府の役割の拡大と不採算企業の生き残りを助長し、生産性の改善を阻害してきたと指摘されます。日銀が金融緩和で流動性を提供しても、企業は設備投資に積極的にならず、政府が財政支出で需要不足を埋め合わせる構図が続きました。そして、日本政府が発行する国債に関しては、結局のところ日本銀行が国債の過半を保有する異常な事態となり、「財政ファイナンス」に近い状況になっています。

 日銀のETFの買い入れに関しては、中央銀行が自国の株式への投資を行うことは本来タブーであり、他国では基本行われておりません。リーマンショック以降の自国の株式市場の冷え込みに対し安易に行ったのが発端ですが、いまや日銀は約37兆円のETFを買い入れており、時価は2024年1月末時点で約67兆円と推計されています。現在の株式は日銀が購入したことにより現在の実態価値は4,000円ほど上がっている状態であり、禁じ手にて得た含み益約30兆円については、国民に還元すると共に企業の経済活動を正常化すべきだと私たちは考えます。

 植田総裁は、記者会見で「賃金と物価の好循環を確認し、2%の『物価安定の目標』が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した」と述べましたが、実質賃金は22カ月連続でマイナスを記録し、「賃金と物価の好循環」など起きていないことは明白です。むしろ、これまでに失政の結果起きている物価上昇と円安の悪影響が抜き差しならなくなったので、変更せざるを得なくなったと言うのが本音でしょう。

 植田総裁の緩慢さの背景には自民党や財務省への忖度が相当あると思われますが、いずれにしても、私たちは自民党・財務省・日銀が結託して行われてきた金融政策の失敗を追求し、望ましい与党・政府・中央銀行の関係のあり方を提示していきたいと思います。

未来進歩党政策委員会

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