米国政府によるICC赤根智子所長らへの制裁を強く批判し、撤回を求める

2026年8月18日、米国政府は、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長及びアブドゥライ・セイ上級訴訟担当官を、新たに制裁対象に指定した。

未来進歩党は、国際司法機関の裁判官及び職員が、その職務を遂行したことを理由として経済制裁の対象とされたことを重大に受け止める。今回の米国政府の措置は、国際司法の独立を政治的・経済的圧力によって脅かし、国際社会における法の支配を損なうものであり、強く批判する。米国政府に対し、赤根所長らに対する制裁を撤回するよう求める。

米国政府は、米国やイスラエルがICCローマ規程の締約国ではなく、ICCによる自国民への管轄権行使に同意していないことを制裁の理由としている。

しかし、ローマ規程上、ICCの管轄権は被疑者の国籍国が締約国である場合に限られない。問題となる行為が締約国の領域で行われた場合にも管轄権が成立し得ることは、ローマ規程が定める制度そのものである。パレスチナ情勢に関しても、ICCはガザ及び西岸地区を含む地域について領域的管轄権を認めてきた。

ICCの管轄権、手続、判断が無条件に正しいということではない。個々の判断について法的・政治的な批判がなされることは当然であり、ICC自身も不断にその公正性、透明性及び説明責任を確保しなければならない。

しかし、司法判断に対する異論は、法的手続、外交及び国際的な議論によって争われるべきである。自国に不都合な捜査や司法判断に関与したことを理由として裁判官や検察関係者個人に経済制裁を科すことは、司法の独立そのものに対する威圧であり、容認することはできない。

とりわけ、米国政府が今回の措置を個別の管轄権問題への対応にとどめず、ICCを「解体」するための政策の一環と位置づけ、他国にもICCへの資金拠出や参加を停止するよう求めていることを、未来進歩党は重大に懸念する。これは一つの判決や捜査への批判ではなく、国際社会が長年築いてきた国際刑事司法制度そのものを政治的圧力によって弱体化させようとする行為である。

また米国は、ロシアによるウクライナ侵略をめぐっては、ICCを含む国際司法機関による戦争犯罪等の責任追及を支持してきた。法の支配は、自国や同盟国に有利な場合にのみ尊重されるものであってはならない。友好国であれ敵対国であれ、同じ原則が適用されなければ、国際法秩序に対する信頼そのものが失われる。

日本はICCローマ規程の締約国であり、長年にわたりICCを人的・財政的に支えてきた国である。そして今回制裁対象となった赤根智子所長は、日本が国際司法の分野に送り出した裁判官であり、現在、ICCの最高責任者を務めている。

それにもかかわらず、日本政府が8月19日に発表した談話は、赤根所長が制裁対象となった事実を述べ、「関係国等と意思疎通を取りつつ、国際社会における法の支配の強化に取り組む」とするにとどまった。

これでは不十分である。

日米同盟が日本の外交・安全保障にとって重要であることと、米国政府の個々の政策を批判することは何ら矛盾しない。同盟国だからこそ、法の支配や司法の独立という基本原則に反する行為については、明確に異議を唱えるべきである。

未来進歩党は、日本政府に対し、米国政府に今回の制裁措置の撤回を明確に求めるとともに、ICC締約国及び関係国と連携し、裁判官、検察関係者その他ICCの活動に携わる人々が政治的・経済的威圧を受けることなく職務を遂行できる環境を守るため、積極的な外交を行うよう求める。

重大な国際犯罪について、誰であれ法による責任追及の対象となり得るという原則は、第二次世界大戦後の国際社会が積み重ねてきた重要な到達点である。

法の支配に、友好国と敵対国の区別があってはならない。

未来進歩党は、国際司法の独立を守り、力ではなく法によって秩序を築く立場から、米国政府による今回の制裁を改めて強く批判し、その速やかな撤回を求める。

2026年8月19日
未来進歩党代表
鈴木 しんじ

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